ソラマメブログ

2008年02月06日

Second Lifeにおける音楽著作権

Second Life内で活動するミュージシャンやDJやショップでBGMを流すオーナーなどの人たちは、何となく気になっているけどほったらかしにしているのが、音楽の著作権と著作隣接権だ。
情報はないものかと思ってJASRACのサイトを見てみても何も載っていない。
ところが、実は去年、デジタルハリウッド大学院 | 業界別セカンドライフ・ビジネスセミナー第1弾 「音楽業界のセカンドライフ活用法」というのがあって、その第2部「仮想世界における音楽著作権」でJASRACの専門家がバーチャル世界での音楽著作権の扱いを注意点とともに解説していた。その内容はSecond Lifeの音楽ファンが聞いたら、そんな無茶なことできるか、と言いたくなるような内容だった。
すぐにでもブログに書こうと思ったが、下手に書いてやぶへびになるのも嫌だし、そのうちJASRACのサイトに情報が載るだろうと思って待っていたが、いつまで経っても載らない。さらに去年の暮れにはジェットグラフィクスなどいくつかのいくつかの企業が、今年に入ってhirotoさんなど個人でJASRACの許諾をとろうという勇気ある人がでてきたりしたので、思い切って書くことにした。

次から、そのセミナーの引用。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
・私ども(JASRAC)の部員はすべて(Second Lifeに)入ってですね、どんなことが行われているの
かチェックしているわけではないんですけれども、どんなものかということについては勉強させてい
ただいています。

・Second Lifeの場合ですとどのように考えたらよいかということですが、はっきり申し上げま
して、世界でいろんな方がこのサービスを使っていますが、世界の著作権団体も各国にありまして、
まだ結論がでておりません。

・だれに(著作権の)ライセンスをだすかというと、結論だけ申し上げますと、SIMのオーナー
、それから音楽を利用してコンサートを主催をする方に対して許諾を出そうと考えております。実際
にはすでに許諾は出しているんですけれども、その中で一定の制約を掛けさせていただいています。
日本人居住区で、日本の法人、個人が責任をもって処理をしていただける場合に限るということにし
ています。それから、とりあえず日本の楽曲だけにしていただきたい。

・処理するにあたっていくらかかるかという話ですが、(中略)ストリーム形式の一番下ですけ
れども、最低月額が5000円、もしくは年額5万円という取り扱いを現状させていただいています


・今後につきましては、このSecond Lifeがメディアとして非常に大きくなっていった場合につ
いては、その月額5000円という金額をどうするのかということは、これからの課題になります。
ネット環境ですとかサービスの内容は常に変わっていますので、JASRACもみなさんにいただく著作権
使用料については、利用者の代表と協議をして、今後は1アクセスあたりの使用料ですとかそういっ
た考え方ももっていきたいなと考えております。

・それからご注意いただきたいのは、音楽を利用するにあたりまして、ネットワークで許諾を得
る場合、私ども(JASRAC)だけが権利者ではないということです。JASRACは著作権等管理事業法という
法律で規制されていまして、指定管理事業者という立場にございます。ですから許諾を求められれば
必ず許諾しなければいけないんですけれども、(レコード会社など)その他の事業者についてはそう
ではなくて、もしそういった他の団体の権利物をご使用になるさいには、そちらに直接行っていただ
いて許諾を得る必要がございます。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

Second LifeでCDなどの録音物を流すのは、商用のストリーム形式が適用されるのはなんだかなあ。
それから、ラジオやSecond LifeでCDなどの録音物を流す場合、著作権についてはJASRACの管轄だが、著作隣接権についてはCPRAなどの管轄なので、そっちもクリアする必要があるが現状、ほぼ不可能だ。
あまり厳密に考えると何もできないので、状況に合わせて柔軟に動くしかないな。

Second Lifeにおける音楽著作権その2へ続く。

タグ :著作権JASRAC

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Posted by Ueken Kidd at 01:04│Comments(3)ミュージック
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さいきん、こんなことばかりブログに書いてるけど、引かないでね・・・・>お友達の皆様DJ Ueken Kidd Blog:Second Lifeにおける音楽著作権こんな無理難題をどうしろというか、サッパリ納得で...
これはどう対処すべきなんだ。【天然細腕SIM繁盛記】at 2008年02月08日 13:25
>>> 120
ゆかりちゃんと会ったんだけどさ、あの子工口すぎ( ;゜Д゜)
アイスとかチョコレートとかを俺の珍珍に塗りたくっていっぱいペロペロしてくれたよヽ(´ー`)ノ
アイス塗られた時...
チョコバーならぬチョコチンwwwwwww【ゆーた】at 2008年08月30日 22:41
この記事へのコメント
分けわかんないですよね・・・こまっちゃいますよ。
個人で申請した方のお話も読ませていただきましたが・・。
やれやれという感じです。
Posted by Tammy at 2008年02月06日 01:23
拝見いたしました。

これはどういう意味なのか、私には理解しがたいです。
まだ結論も出てないものなのに、きっちり金額だけが決まっている。
だからJASRACは搾取団体だといわれるんですね。

ようするに勝手に音楽を流すのなら金を払えって事ですかね?
店舗でBGMを流すのも違反だし、鑑賞会もだめ。

いったい誰のための音楽なんでしょうか?
音を楽しむと言う意味が”音が苦”に聞こえるような気がします。

いったい権利者は何を恐れているんでしょうかね。
既得権益の崩壊?
んなもん、とっくに崩壊していますよ、今の日本の音楽シーンじゃ。
ごく限られた世代にしか訴えかけてない音楽性じゃこの先目に見えてますからね。
まったく、この21世紀のご時世に......

率直な意見だけ、ここに書いても無駄ですが。
過激な見解、ご容赦ください。
Posted by とおりすがり at 2008年02月06日 02:36
>Tammyさん
>とおりすがりさん

コメントありがとうございます。
今はまだSecond Lifeのメディアとしての規模が小さいため、著作権者からはいわゆる「お目こぼし」されている状態で、ユーザーは自由気ままに音楽を使えてます。
しかし、Second Lifeの規模が大きくなって現在の著作権法を厳密に運用されてしまうと、Second Lifeで音楽を自由に流すことができなくなり、SL音楽界は壊滅的になるでしょう。
じゃあ、どうすればいいのか、ということも考えているので、そのうちまたブログに書きます。
Posted by Ueken Kidd at 2008年02月14日 00:06
 
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